外国語版のストレスチェック調査票

はじめに

猛暑がようやく終わり、幾分涼しくなってきた頃ですが、ちょうど多くの事業場において今年度のストレスチェックが行われている季節かと思います。

昨今、日本においても外国人労働者が増えています。製造業、建設業、飲食業等業種によっては、外国人労働者が珍しくない職場も多くなっています。

労働安全衛生法にもとづくストレスチェック制度においては、以下の①、②の双方を満たす労働者がその対象となっています。なお、ストレスチェックの対象者の範囲は、一般定期健康診断の対象者と同様です。

①期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労 働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年以上で ある者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されてい る者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。 

② その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事 する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であるこ と。

ストレスチェック制度マニュアル30頁 https://www.mhlw.go.jp/content/000533925.pdf

上記の要件を満たす労働者に対しては、その国籍を問わずストレスチェックを実施しなければなりません。したがって、外国人労働者のいる職場においては、外国語版のストレスチェックの調査票が必要となると考えられます。

なお、外国人労働者へのストレスチェック実施の際に日本語版の調査票を日本語が分かる同僚が都度口頭で通訳することも考えられますが、その場合、外国人労働者が自分の回答を他人に知られずに回答することが難しくなるためお薦めしません。

現在、ストレスチェックの調査票としては、職業性ストレス簡易調査票(通称57問)が事実上の標準となっていますので、今回は職業性ストレス簡易調査票の外国語版を紹介したいと思います。

外国語版の職業性ストレス簡易調査票

英語版

英語に翻訳された職業性ストレス簡易調査票は厚生労働省の安全衛生に関するサイトで公開されています。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/

なお、上記の英語版の職業性ストレス簡易調査については、信頼性(※1)、妥当性(※2)についても検証した結果が学会発表されています。

※信頼性:調査票がストレスの原因やストレス反応について精度高く測定している程度。回答傾向の一貫性や複数時点での測定結果の安定性をもとに検証されることが一般的。

※妥当性:調査票がストレスの原因やストレス反応を適切に測定している程度。理論的な関連が想定される抑うつやバーンアウトを測定する調査票との相関を元に検討されることが多い。また、調査票が将来の休職やメンタルヘルス不調を予測できるかという観点でも検証されることもある。

ポルトガル語、中国語、ベトナム語版

静岡労働局によって、職業性ストレス簡易調査票(57項目)のポルトガル語版、中国語版、英語版、ベトナム語版が公開されています。なお、調査票の信頼性、妥当性の検証は行われていないようです。

https://jsite.mhlw.go.jp/shizuoka-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/anzen_eisei/hourei_seido/_120099.html

ペルシャ語、ミャンマー語、タガログ語等

ペルシャ語、ポルトガル語、ミャンマー語、中国語、スペイン語、タガログ語に関しては、下記の厚生労働省労災疾病臨床研究補助金事業による報告書(研究代表者:研究代表者 横山 和仁)に掲載されています。

なお、上記報告書で掲載されている調査票について注意したいのは、信頼性、妥当性が検証されたものと未検証のものが混在する点、自社での利用については著作権者の確認が必要となる点です。

https://www.mhlw.go.jp/content/000615114.pdf

下記に上記報告書中で各言語版の調査票が掲載されている頁を記載します。

  • ペルシャ語 9-10頁
  • ポルトガル語 13-15頁
  • ミャンマー語 16‐18頁
  • ベトナム語 21-23頁
  • 中国語 27‐30頁
  • スペイン語 33頁‐35頁
  • タガログ語 36頁~39頁

外国人労働者に対するストレスチェック実施時の留意点

企業等の勤務先が従業員のために実施するストレスチェック制度は世界でもめずらしい制度ですので、まずは、日本で働いている外国人労働者にストレスチェック制度について理解してもらい、安心してストレスチェックを受けてもらう環境をつくることが重要です。

特に、労働者がストレスチェック結果をもとに面接指導を申し出たことによって勤務先が解雇等の不利益な取扱いをすることが禁じられていること、個人のストレスチェック結果は本人とストレスチェックを実施した産業医や保健師のみが知ることが法的に担保されていることについて十分説明して、労働者の不安感を取り除くことが重要です。

また、欧米系の労働者は個人のプライバシーに対する意識が強いことから、勤務先が個人の内面にまで踏み込んだ検査をすることに抵抗感を示す労働者が多いかもしれません。セルフケアや職場環境改善といった制度の趣旨について説明することに加えて、個人のストレスチェック結果の取り扱い(データ保管場所、アクセス権限者、管理体制、退職時に消去されるのか、退職後も一定期間は保管されるのか等)についても詳細に説明することで、少しでも抵抗感を和らげることが望まれます。

外国人労働者にとっては健康管理は自己管理が原則のように感じられる点も外国人労働者にストレスチェックを受検してもらう上でのハードルとなっていることがあります。勤務先が従業員の健康に配慮する義務を負っているという労働契約法の考え方や、勤務先に安全で快適な職場づくりを行う義務を課している労働安全衛生法の考え方についても、日本人労働者に以上に丁寧に説明し、改めて理解を得ることも外国人労働者の高い受検率につながると考えられます。

以 上

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