健康経営優良法人制度のポイント

はじめに

今年も健康経営優良法人の申請時期になりましたので、「健康経営優良法人2021」について解説します。

健康経営優良法人とは

健康経営優良法人は、経済産業省が主導して行っている、健康経営に取り組み企業の取り組みを評価し、一定の基準を満たした企業を顕彰する制度です。

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin_shinsei.html

ポイントをまとめると下記のとおりです。

  • 企業規模に応じて、大規模法人部門と、中小規模法人部門にどちらかに申請することが可能。
  • 大規模法人部門で認定された企業のうち特に優良な取り組みを実施している企業群500社を「ホワイト500」、中小企業規模法人部門で認定された企業のうち特に優良な取り組みを実施している企業群500社を「ブライト500」として特に顕彰している。
  • 毎年秋から申請の受付が開始し、翌年の2~3月頃に認定され、認定期間は認定日から翌年の3月末。
  • 認定された企業は、ロゴをHPや名刺に使うことが出来る。
  • 直近の「健康経営優良法人2020」では、大規模法人部門に1481法人(うち500法人が「ホワイト500」として認定)、中小規模法人部門に4723法人が認定されている。

以下では、大規模法人部門と中小規模法人部門と分けて説明します。

健康経営優良法人(大規模法人部門)

大規模法人部門に申請する企業は、健康経営度調査に回答し、「1.経営理念(経営者の自覚)」、「2.組織体制」、「3.制度・施策実行」、「4.評価・改善」、「5.法令遵守・リスクマネジメント」の5領域に関して、自社の取り組みを評価します。大規模法人の場合は、産業医や保健師等の人材面でのリソースが潤沢であることが前提となった評価項目となっていることや、満たすべき項目が多いことが特徴です。

<認定要件>https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/kenkokeieiyuryohojin2021_chushokibo_ninteiyouken.pdf

中小規模法人部門

中小規模法人部門に申請する企業は、WEBフォーム上で自社の取り組み評価して申請します。評価領域は大規模法人部門のものと同じですが、その求められる内容が中小企業の実情に鑑みて簡略化されていたり、満たすべき項目数について少なくなっていることが特徴です。

また、東京都においては、健康保険組合が主導して実施している健康経営の顕彰制度である「健康企業宣言」の「銀の認定」を取得していることが、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の申請の前提になっています。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/tokyo/cat070/20171030016/

<認定要件>https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/kenkokeieiyuryohojin2021_chushokibo_ninteiyouken.pdf

 

「健康経営優良法人2021」の変更点

健康経営優良法人についても、世の中の流れや企業からの申請内容等を踏まえて、毎年一定のマイナーチェンジが施されています。健康経営優良法人2021に関する昨年度からの変更点の主な内容は下記の通りです。

中小規模法人部門で「ブライト500」が創設

中小企業規模法人部門で認定された企業のうち特に優良な取り組みを実施している企業群500社が「ブライト500」として顕彰されることになりました。これまで中小規模法人部門においては、基準を満たしているかどうかの絶対評価のみでしたが、今年度からは相対評価が追加されたことになります。

健康経営優良法人(中小規模法人部門)については申請期間が延長

⇒例年8月下旬から10月下旬が申請受付期間でしたが、中小規模法人部門に限り今年度については8月下旬から11月下旬に延長されています。

新型コロナウイルス感染症の影響が考慮

⇒評価項目の一部で新型コロナウイルス感染症の影響で取り組み中断した等の事情が評価に際して考慮されるようになりました。また、新型コロナウイルス感染症対策の取り組みが評価項目として追加されています。

おわりに

「健康経営」という言葉がそこまで有名でなかった時期に開始した健康経営優良法人制度ですが、今ではすっかり認知度が高くなり、大手企業では健康経営優良法人を取得するのが人事部や総務部の当然の役割として期待されているように感じます。

「社長のトップダウンで開始したが、実際にやってみたら従業員の健康意識が向上した」、「採用力が強くない業界だが、健康経営優良法人の認定を取得することにより自社のイメージアップにつながっている」という声も実際に聞きます。

ぜひ、今後認定取得をご検討いただければ幸いです。

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