産業保健師のストレスチェックへの取り組み事例 ~産業保健フォーラム2017より~
去る10月26日に江東区の「ティアラこうとう」にて開催された東京労働局主催「産業保健フォーラムIN TOKYO2017」に参加して参りました。
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0145/7445/leaf.pdf
複数の講演が行われました中で、株式会社アルビオン人事部健康管理室勤務の高木保健師の講演は産業保健師としてのストレスチェックへの取り組み事例として参考になりましたのでポイントと思われた点をご紹介します。
1.定量評価と定性評価の組み合わせで組織の特徴を把握
ストレスチェックの定量的な結果を横軸、保健師や産業医の定性的な評価を縦軸として、グラフ上に企業内の組織を配置して、組織の特徴を視覚的に把握し、職場環境改善の資料として活用していた点が特徴的でした。なお、定性的な評価としては休職者の多さ、業務負荷等が用いられていました。
2. ストレスチェック結果を様々な角度から分析
勤続年収、年齢等の様々な要因とストレスチェックの結果を組み合わせて、ストレスチェックの結果を多角的に分析していたのが特徴的でした。特に、組織の喫煙率とストレスチェックの結果に関連があった(喫煙率が高い部署はストレスチェックの結果が悪い傾向)というのは興味深い内容でした。
3. 集団分析の結果を従業員に分かりやすくフィードバック
ストレスチェックの集団分析の結果はA3の紙にまとめて掲示板(※)に掲示して従業員にフィードバックしたとのことでした。健康診断の集団分析結果も合わせて掲示していたり、保健師からの好評コメントをつけたりと従業員が興味を持って自社で働く従業員の健康状態について理解できるように工夫されていました。
※アルビオン社は化粧品販売に従事する美容部員が大半という特性上、業務用のPC端末やイントラネットを通じての情報伝達が一般的でないとのこと。
その他としては、高木保健師自身が地道な産業保健活動を続けることにより、企業側に産業保健スタッフとしての意見を自然に聞いてもらえる関係になるまでに6年を要したという点が、継続的な取り組みの重要性という意味で非常に印象深く感じました。
以 上