ピープルアナリティクスに役立つ最近の書籍

以前弊社ブログにてピープルアナリティクスを進める第一歩として、従業員満足度と離職意思の関係のように、概念と概念の間の関係性(=モデル)を想定することが有用であると説明しました。モデルを想定する際には、心理学等で研究者が研究して得られた知見を活用することをお薦めしました。

そこで、今回は、ピープルアナリティクスに有用と思われる最近出版された書籍を2冊ご紹介したいと思います。

一冊目は小塩真司著「性格とは何か より良く生きるための心理学」という本です。

この本では、パーソナリティに関する理論の基礎と、有力なパーソナリティ理論の1つであるビッグファイブ理論が重点的に解説されています。ビッグファイブ理論の基本的な事項、ビッグファイブとウェルビーイングなどの関係性等も解説されています。

これまでパーソナリティは生涯を通じて変化しづらいと考えられていましたが、近年明らかになってきたビッグファイブの生涯発達についても近年の研究が紹介されています。文末には引用文献集も付いていますので、詳しく知りたい点は原著論文に当たることが可能です。本書は新書であるにも関わらず情報量が多く、非常にお買い得な一冊といえると思います

次は服部泰宏著「組織行動論の考え方・使い方 — 良質のエビデンスを手にするために」です。この書籍では、組織行動に関する理論、知見が網羅的に整理されています。

本書で紹介されている理論の1つにリーダーシップ行動があります。リーダーシップ行動に関しては、古典的なミシガン研究や条件適合理論から、オーセンティックリーダーシップ、シェアードリーダーシップ、フォロワーシップといった最近の理論も紹介されています。

リーダーシップ行動に関する理論以外には、ジョブ・エンベデッドネス、心理的資本といった近年提唱された理論も紹介されています。本書の付録では、組織行動論分野での代表的な学術雑誌、心理尺度の作り方、実証研究の進め方についても解説がされています。この部分は著書がノウハウを開陳している部分と言え、ピープルアナリティクスの専門家には大変有用だと思います。本書についても、文末に引用文献リストがついていますので、それを参考に組織行動論に関してさらに理解を深めたりサービス開発に生かしていくことが可能となって思われます。

以 上

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