厚生労働省よりハラスメントの実態調査報告書が公開

さる4月30日に厚生労働省より「令和2年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査 報告書」が公開されています。

本報告書は、企業を対象にした企業調査と労働者を対象とした労働者調査からなります

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_18384.html

下記で、それぞれについて注目すべき結果についてご紹介したいと思います。

企業調査

回答企業の約 8 割が、パワハラ、セクハラおよび妊娠・出産・育児休業等・介護休業等ハラスメ ントに対する雇用管理上の措置として、「ハラスメントの内容、ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化と周知・啓発」および「相談窓口の設置と周知」を実施していると回答した。 一方、「相談窓口担当者が相談内容や状況に応じて適切に対応できるようにするための対応」の 割合は全てのハラスメントにおいて約 4 割程度であった。

⇒結果は報告書41頁参照。

この結果からは、ハラスメント対策を求める法制度の施行に加えて厚生労働省や諸団体による普及・啓発活動の効果もあって、企業においてのポスターや研修による周知は進んでいることが伺えます。

一方で、相談対応については一層の向上の余地があることが伺えます。ハラスメント事案では、被害者の訴えと加害者とされる人物の主張が対立することが多く、弁護士や社労士との連携も含めて対応のためにはノウハウが必要になります。今後、厚生労働省等の施策等により、企業の人事部門担当者向けのハラスメント相談対応の技能向上を目的とした研修等が充実することが望まれます。

労働者調査

回答者の中で、就活等セクハラを経験したと者の割合は約 4 人に 1 人(25.5%)であった。卒業年度別では、2018 年度卒の割合が最も高く、2019 年度卒が最も低かった(図表 164 参照)。男女別では、男性の方が高かった。男女・学歴別では、「男性 大学院生」において最も高かった。

⇒結果は報告書153頁~参照。

労働者は、事業主と雇用関係にある者を指すため、雇用関係にない就活生は労働者ではありません。それにも関わらず、労働者に関する調査を主眼とする今回の調査に就活生を対象とした調査が含まれているのは、就活生に対するハラスメントがニュース等でも取り上げられ、厚生労働省サイドでもアジェンダの一つとして認識されていることを示唆しています。今後、厚生労働省によってパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントと同様に、就活生を対象としたハラスメントの予防措置を義務付ける措置が検討される可能性もあります。

ハラスメント事案が発生したり、それに対する企業の対応が適切でなかった場合に、従業員からのSNS等を通じた告発により企業のイメージダウンにつながったと思われる事例も発生しています。

下記サイトにはハラスメントに関する法規制、ガイドライン、社内研修資料が公開されていますので、そちらを参考に、社内の啓発、研修、相談体制を見直しすることをお勧めします。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

以 上

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