サービス開発に必要な専門知見をどのように手に入れるか?

はじめに

今回は弊社がサービス開発に必要な専門知見をどのように入手しているかという点についてご紹介したいと思います。

専門知見を得る方法としては大学やシンクタンクの研究者にコンサルティングを依頼する方法が考えられますが、今回はそういった専門家に頼らずに論文や書籍を通じて専門知見を得る方法をご紹介したいと思います。

専門知見を得るための情報源としては雑誌、一般書籍、専門書籍等多々ありますが、弊社では大学等に所属する研究者の執筆した論文や書籍(教科書や専門書)をお薦めします。理由としては、論文や書籍の内容の質がその他の情報源に比べて相対的に高いことが挙げられます。

なぜ大学等の研究者の出版物の質が相対的に高いと考えられるかというと、大学等に所属する研究者は基本的に専門家が所属する学会等のコミュニティに所属しており、その中で品質を担保するような相互監視メカニズムが働いていると思われるからです。分かりやすく言えば、レベルの低い論文や書籍を出版すると同じ専門分野のコミュニティの研究者から「あの先生はレベルが低いことをやっている」と思われてしまい、仲間内での立場がなくなってしまうため、学会等に所属している研究者はそれを避けるため論文や書籍の品質を最大限確保するということです。

論文に関しては査読済みの論文であればさらに品質確保されているため、出来れば査読済みの論文を参考にされることをお薦めします。査読制度とは、学術雑誌に投稿された論文を同じ分野の複数の専門家がチェックし、掲載が可と判断された論文のみ掲載される制度です。査読済みの論文に関しては同業者内の評判と査読制度によるチェックで二重に品質確保がされているとも言えます。

自分の調べたい分野の研究者を探すには

それでは、ある分野の知見を得たいと思ったときに、その分野を研究者をどのように探せば良いのでしょうか?以下のその方法の一例をご紹介したいと思います。

まず、総合大学のオンラインのシラバスを検索します。たとえば、東京大学であれば、下記で検索します。

https://catalog.he.u-tokyo.ac.jp/?type=jd

オンラインシラバスにキーワードを入れて検索された講義名から、自分の調べたい分野がヒットしたらその担当教員名を記録しておきます。なお、講義の概要に講義で使われている教科書が指定されている場合がありますが、その場合はその書籍が目的とする書籍である可能性が高いため必ずメモします。

次に、シラバスで見つかった教員名をインターネットで検索し、教員のウェブサイトを検索します。ウェブサイト内に教科書や専門書、参考になりそうな論文があればメモします。

大学教員のような研究者のウェブサイトでは、論文や書籍の著作の他、所属学会が示されていることも一般的です。所属学会が分かれば、その学会のウェブサイトにアクセスします。「学会の役員」が記載されているホームページには学会の役員を務める研究者が記載されています。学会の役員は学会での重鎮から中堅の研究者が任命されることが一般的です。この学会の役員になっている研究者もリストに加えて上記と同様にウェブサイトの検索を実施し、教科書や専門書、論文を探します。

なお、上記のプロセスで自分が知りたい分野の研究者の氏名がある程度判明した段階で、アマゾン等の書籍が購入できるECサイトにてそのリストの研究者名で検索することも効率的です。

教科書については「~入門」や「概論」という名前がついている書籍が教科書として用いられていることが多いです。出版社によってはさまざまな分野の入門書をシリーズとして販売していることもあります。

たとえば、有斐閣の「有斐閣アルマ」、「有斐閣ストゥディア」、「New Liberal Arts Selection」は人文、社会科学分野の定評のある入門書シリーズになります。理科系であれば、化学同人社、岩波書店、コロナ社、共立出版、朝倉書店なども定評のある教科書を多く出版していますし、東大出版会のように大学の出版社でも教科書を多く取り扱っています。教科書を探す際は上記のような出版社のサイトで検索することも良いでしょう。

一部の人向け裏技

上記で紹介した方法以外にも大学が近くにある人にはもっと効率が良い方法があります。それは大学生協です。大学生協では、大学の先生が選定した教科書や専門書が領域別に整理されています。目指す領域さえ分かっていれば、大学生協にてその分野で大学の先生が目利きした専門書や教科書を手っ取り早く知ることが出来ます。

4月や9月といった学期の初めには、大学で開講される講義ごとの指定教科書リストが紙で配置されていることも多いです。このリストも専門分野の信頼出来る書籍を探している人には値千金の価値がある資料と言えます。このリストに掲載されている書籍は大学生協に配置されていることが一般的でその場で購入が可能ですので、大変効率が良い方法と言えます。

終わりに

大学生向けの教科書については、「いまさら大学の教科書なんて…」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。また、「大学には良い思い出がない」と言う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「サービス開発のため」という差し迫った動機付けのある方には、必要な専門知見を初歩から効率よく学ぶことのできる教科書、それらが分かりやすく配置されている大学生協は最高の情報源と言えます。ぜひ本ノウハウをご活用ください。

以 上

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