弊社代表取締役の宮中が日本産業衛生学会にてジョブ・クラフティングに関する演題を発表しました

弊社代表取締役の宮中大介が、産業医、保健師、研究者が所属する産業保健に関する学会では日本最大規模の日本産業衛生学会にて筆頭発表者として発表しました。

https://convention.jtbcom.co.jp/sanei94/

発表の要旨としては、下記の通りです。

前提となる用語・概念 ※分かりやすさを優先しているため厳密な学術的な定義とは一致しません。

ジョブ・クラフティング:仕事を楽しくするために、仕事の進め方や範囲、仕事を通じた人との関わり方や自分の仕事に対する見方を変えること。仕事の進め方等に関するもの(仕事)、仕事を通じた人との関わり方(対人関係)、自分の仕事に対する見方(認知)の3要素からなる。

ワーク・エンゲイジメント:仕事に対してポジティブに関わっている状態。活気、熱意、没頭の3要素からなる。ワーク・エンゲイジメントが高い従業員は仕事のパフォーマンスが高いことが明らかになっている。

これまで、ジョブ・クラフティングをしている程度の強い従業員はワーク・エンゲイジメントが高いことが知られており、ワーク・エンゲイジメントを高めるためジョブ・クラフティングを高める介入研究も実施されてきました。

しかし、それらの先行研究は主にオフィスや工場で実施されたものであり、テレワーク下においても成立するかは明らかではありませんでした。

そこで、テレワーク下においてもそうしたジョブ・クラフティングとワーク・エンゲイジメントの関連が成り立つかを検討するために、テレワーク制度が導入されている日本の企業の従業員を対象にした横断調査を実施し、ジョブ・クラフティングとワーク・エンゲイジメントの関連性を検討しました。

研究結果からは、ジョブ・クラフティングのうち、仕事の進め方等に関するもの(仕事)、仕事を通じた人との関わり方(対人関係)に関しては、テレワーク頻度が高い場合にはワーク・エンゲイジメントとの関連が小さいことが明らかになりました。自分の仕事に対する見方(認知)に関しては、ワーク・エンゲイジメントとの関連がテレワーク頻度によって差がないことが明らかになりました。

本研究は横断研究のため、ジョブ・クラフティングとワーク・エンゲイジメントの因果関係までは議論が出来ませんが、テレワーク環境下においては、仕事の進め方等を工夫したり、仕事を通じた人との関わり方を工夫することがワーク・エンゲイジメントを高めることにつながりにくくなっている可能性を示唆しています。もしかしたら、オンラインによるコニュケーションでは、仕事の工夫や同僚への働きかけが空振りに終わることが多いのかもしれません。今後は、縦断研究により、テレワーク下におけるジョブ・クラフティングがワーク・エンゲイジメントに及ぼす影響に関して検討する予定です。

以 上

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