公認心理師試験日程及び試験委員等が公表
2018年2月2日付の官報にて公認心理師試験の試験日程、試験地、試験の方法、受験申込手続、試験委員等が公表されました(http://certified.shinri-kenshu.jp/topics/20180202_3645.html)
※官報にて公表された内容は厚生労働省のホームページでも公表されております(2/23追記)http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000194282.html
公表された主な事項は下記の通りです。
試験日:平成30年9月9日(日曜日)
合格発表日:平成30年11月30日(金曜日)
試験地:東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県及び福岡県
出題形式:五肢または四肢択一を基本とする多肢選択形式
試験の詳細については日本心理研修センターより発行される「受験の手引き」に記載されるようです。
また同日付の官報において、委員長以下40数名の試験委員が公表されました。弊社では試験委員の経歴、業績、著書等を参考に出題基準が準拠すると考えられる公認心理師のカリキュラムの到達目標に公表された試験委員を割り振ってみました(試験委員の敬称略)。なお、必ずしも上記のような考え方で試験委員が分野別に割り振られているとは限らないこと、「発達」と「教育」、「福祉に関する心理学」と「司法・犯罪に関する心理学」のように内容が重複する分野を弊社独自の主観によって割り振っておりますので、あくまで参考程度として捉えて頂くようお願いします。
「公認心理師としての職責の自覚」については、現任者講習会テキストをもとに医師や心理職の試験委員が共同して出題することになると思われますが、臨床心理学の倫理を専門とする金沢吉展明治学院大学教授が中心になって取りまとめるのではないかと推測します。
「心理学における研究」、「心理学に関する実験」に関しては、心理統計学を専門とする試験委員の中村知靖九州大学教授、村井潤一郎文京学院大学教授が主に担当することが予想されます。なお、本分野に含まれると考えられる質的研究法や実験計画法等に関しては質的研究法や実験的手法で実績のある他の試験委員(たとえば質的研究法であれば遠藤利彦委員、萱間真美委員)も出題に参加する可能性があります。
なお、以前弊社ブログにて心理統計分野の試験委員は東京大学教育学研究科関係者である可能性が高いと予想し、同研究科の南風原朝和教授や同研究科出身で南風原教授の教え子の村井潤一郎教授の心理統計学の教科書を試験対策のテキストとすることを推奨しました(https://better-options.jp/2017/12/16/%E5%85%AC%E8%AA%8D%E5%BF%83%E7%90%86%E5%B8%AB%E8%A9%A6%E9%A8%93%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E7%8B%AC%E5%AD%A6%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%84%E3%81%9F%E5%BF%83%E7%90%86%E7%B5%B1/)。今回予想通り村井潤一郎教授が試験委員となったことや同じく試験委員の中村知靖教授も東京大学教育学研究科出身であることから弊社の方向性は間違っていないと思われます。なお、中村知靖教授には「心理統計法への招待―統計をやさしく学び身近にするために」、「誰も教えてくれなかった因子分析: 数式が絶対に出てこない因子分析入門」という共著がありますので、余裕がある方は一読しておくと良いと思われます(特に後者は因子分析に特化していますが文系学生向けに非常に平易に説明されています)。
「心理に関する支援(相談、助言、指導その他の援助)」については、事例問題が出題されるため出題委員が多く配分されている可能性があります。
受験者の大半を教育、保健医療分野の心理職が占めることが予想されるため「福祉に関する心理学」、「司法・犯罪に関する心理学」には土地勘のない受験生が多いと思われます。同分野の出題を担当すると思われる試験委員が概説書を出版している場合は一読しておくと良いのではないかと思われます。
「人体の構造と機能及び疾病」、「精神疾患とその治療」については医学部の教員、医師が出題を担当することが推測されます。おそらく現任者講習会のテキストに準拠した出題となると考えられますが、知識の補強を行うのであれば医学部の学部生向けの教科書が参考になると思われます。
「各分野の関係法規」については、法学部の教員、法律家、行政官が出題委員に含まれておりませんので、特定の出題委員が出題するのではなく現任者講習会テキストの内容に準拠しながら、医師、心理職の試験委員を中心に合議して出題されるのではないかと推測します。
弊社ブログでこれまでも繰り返し述べておりますように、試験対策としては現任者講習会のテキストをベースとして知識をインプットし、同テキストでは概要のみしか扱われていない基礎心理分野については学部レベルの教科書を復習するのが基本的な試験対策となると思われます。特に基礎心理分野については忘れている受験生が多いと思われますので、自信がない分野について試験委員が概説書を出版している場合は、そのテキストが試験対策用として第一候補となるでしょう。
以 上
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