今年の新入社員はどんな傾向を持っているか?

はじめに

今年4月に入社した新入社員が入社半年目に差し掛かろうとする時期かと思います。

新型コロナウイルスの感染拡大により、今年の新入社員は新入社員研修のオンライン化など、例年にない対応を余儀なくされたかと思います。

そこで、今回は、民間企業による新入社員意識調査の結果をもとに、今年の新入社員の特徴を把握することとしました。

新入社員意識調査の結果より

まず、日本能率協会による「2020 年度 新入社員意識調査<ダイジェスト版>」を見てみます。

https://jma-news.com/wp-content/uploads/2020/06/d4626e826b2840e833a184c54194bb37.pdf

同調査では、「一つの仕事を長く続けて専門性を磨きたい」というスペシャリスト志向が高まりつつあることが指摘されています。

また、「個人が評価され、年齢・経験に関係なく処遇される実力・成果主義の職場」、実力・成果主義を志向する新入社員の割合が増加傾向にあることが分かります。

働く目的については、「仕事を通じてやりがいや充実感を得る」がトップとなっており、新入社員の約半数近くが選択しています。

「理想の上司・先輩像」については、「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」(59.3%)がトップとなり、2019年度に比べて14.8ポイントと大幅に上昇しているのが特徴と言えます。

次に、リクルートマネジメントソリューションズによる「2020年新入社員意識調査」の結果を見てみましょう。

https://www.recruit-ms.co.jp/press/pressrelease/detail/0000000313/

同調査によれば、「社会人として働いていく上で大切にしたいこと」に対して、昨年に続いて「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」が首位になっており、過去最高を記録しています。

また、「あなたはどのような特徴を持つ職場で働きたいですか?」という問いに対しては、「お互いに助けあう」「アットホーム」「お互いに個性を尊重する」が上位を占める結果となっています。ここ3年の変わらない特徴となっています。

「あなたが上司に期待することは何ですか?」という質問に対しては、「相手の意見や考え方に耳を傾けること」「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」が上位にランクインする結果となっています。逆に、「言うべきことは言い、厳しく指導すること」「周囲を引っ張るリーダーシップ」は、大きく低下していることが分かります。

まとめ

これまでの調査結果をまとめると、専門職志向、仕事自体にやりがいを求める傾向があり、上司に対しては丁寧な指導を求め、職場にも居心地の良さを求めるのが、2020年4月入社の新入社員の特徴と言えそうです。

上司や先輩社員からすると、自己中心的に映るかもしれませんが、少子化で貴重な戦力として採用した人材ですので、そうした特徴を踏まえて、一人前の戦力に育成していく必要があります。

たとえば、以下のような点に注意して指導・育成していくことが考えられます。

まず、目に見えやすい、個人で完結する、英語、会計、ITといったスキル以外にも、組織人としての、調整、根回し、連携についても、重要な専門性であることを伝えることが重要と考えられます。

上司や先輩社員が新入社員に指導する際には、頭ごなしに意見を伝えるのではなく、新入社員の意見を聴く姿勢を見せることが重要ですが、必要な点は躊躇なく伝えるべきであると考えられます。その際には、本人の成長のためのアドバイスであることを予め伝えた上で、改善点を伝える必要があります。「今出来ていないこの部分を修正すればより成長できる」というポジティブな伝え方をすると、新入社員にも浸透しやすいと考えられます。

上司からのこまめなフィードバックも新入社員にとっては重要と考えられますが、多くの業務を抱える上司自身が新入社員に対してこまめにフィードバックするのは現実的には難しいと考えられます。そこで、なるべく経験年数の近い社員に、新入社員へのフォローを業務として与えることが考えられます。その際には、今回の調査結果で判明したような新入社員の特徴を踏まえた上で、フィードバックをするよう指導役の先輩社員に伝えることが重要です。

新入社員に仕事の進め方や組織のしきたりを教えることを通じて、当該先輩社員自身が改めて、自身の仕事の意義、組織の在り方、自社の収益構造、業界での位置づけ、強み・弱み、顧客との関係性といった点について考えを巡らすことになり、結果として気づきや内省、成長につながることが考えられます。

また、上司自身も任せっぱなしにすることなく、新入社員に「自分の代わりに新入社員への指導を先輩社員に任せていること」を伝えた上で、上司自身が新入社員と定期的に面談する等、上司としても新入社員の成長を見守る必要があることは言うまでもありません。

以 上

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