広告内の満足度調査結果にご用心

はじめに

世の中には様々な数字が溢れています。その1つが種々の広告に掲載されている数字です。広告に掲載されている数字にはちょっとした「トリック」が仕掛けられていることが大半です。広告の数字を見る時には、数字を クリティカルに見ていくことをお勧めします。今回は、利用者の満足度調査を題材に、数字をクリティカルに見る例を説明します。

虫眼鏡を持った男性会社員のイラスト

定期購読型いわゆるサブスク型ビジネスの広告

こんな広告は見たことがないでしょうか?

○○(サービス・商品名)を利用した方の〇%が満足しています。

 このような調査結果は、習い事、化粧品、サプリメント 、フィットネスジムの ような 一定の期間を決めて契約をして定期的に利用する、 定期購読型いわゆるサブスク型ビジネスで多く見られます。 これらのサービスのウェブサイトには上記のような 満足度の調査結果が示されていることが多いですが、この数字のどこが問題なのでしょうか?

この手の満足度調査が掲載された広告をよく見ると、小さい字で「利用から半年経過後に調査を実施」といったことが書かれています。これがどういうことを意味するかというと、半年間利用した人に限定した満足度だということです。 定期購読型のサービスにおいては満足していない人は早々に利用をやめてしまいますのでそういった不満を持った人の意見は全く反映されていないことになります。したがって、こういった広告の数字を解釈する際には、「このサービスは〇%の人が満足するものである」と解釈するではなく「このサービスに満足する人も不満足の人もいて、満足度の高い人が使い続けている可能性がある」と解釈する方が良いと言えます。

定期購読型いわゆるサブスク型ビジネスで満足度を適切に評価するには?

それでは、定期購読型いわゆるサブスク型ビジネスではどのように調査を実施すれば満足度を適切に測定できるのでしょうか?

一つの方法としては、 初回利用時あるいは、利用開始1か月後のような早い時点で調査を実施し、満足度を評価することが考えられます。さらに、初回利用時あるいは利用開始1か月後の満足度とその後の利用継続との関連を分析します。もし、両者に関連がなければ、利用が一定期間継続した段階での満足度調査も適切であると言えますが、多くの場合、初回利用時あるいは利用開始1か月後の満足度が低いユーザーほど継続していないという結果が得られることが予想されます。

 

以 上

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