誤答パターンからの公認心理師試験対策(産業・統計)③

6月末に公開した公認心理師試験対策練習問題(産業・統計)に対する回答を分析し、誤答パターンから公認心理師受験生が理解しておくべきポイントの解説を行います。今回は第三弾として設問4と設問5の解説を行います。今回が産業・統計に関する解説の最後になります。今回も無回答の受験者を除いた190人の回答を分析対象としました。

まず、設問4です。

不適切な文章を選択する問題で正答は②です。自殺対策基本法で定められている自殺対策強化月間は3月ですので、選択肢の中の「自殺対策強化月間は10月」という点が不適切です。自殺対策基本法については、2016年に改正が行われていますが、自殺予防週間と自殺対策強化月間は改正によって追加された内容の一つですので、ぜひ記憶しておきましょう。たとえば、下記の資料が自殺対策基本法についてよくまとまっています。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000144493.pdf

設問4の誤答パターンとしては、選択肢③と④が目立ちました。

選択肢③については、精神障害の労災認定で非常に重要なポイントです。自殺は原則労災になりませんが、選択肢③のような場合には例外的に労災認定されます。社会保険労務士試験においても近年出題実績のある事項であり、公認心理師試験においても出題される可能性が高い事項です。今回この選択肢を選択した方は、下記の精神障害の労災認定に関する資料をもう一度確認することをお勧めします。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/dl/120215-01.pdf

選択肢④については、「制度等の利用への嫌がらせ型」と「状態への嫌がらせ型」という2種類の妊娠、出産等に関するハラスメントをチェックしておきましょう。職場におけるセクシュアルハラスメントにおける「対価型」、「環境型」のハラスメントと入れ替えて誤答が作成される可能性がありますので、職場におけるセクシュアルハラスメントについても学習が進んでいない方はこの機会に学習しておきましょう。

下記資料は、妊娠、出産等に関するハラスメントと職場におけるセクシュアルハラスメントの両方についての厚生労働省の啓発資料ですので、未読の方は一読されることをお勧めします。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000186878.pdf

次に、設問5について解説します。

設問5については、適切な選択肢を選ぶ問題で、正答は③です。回答分布をみると6割近い方が正答しており、他の設問に比べて正答率が高くなっています。心理系の大学あるいは大学院出身の方は、産業心理学や組織心理学の講義で勉強していたり、そもそも人間行動に関心の高い心理職の方が大半なので、自己研鑽の過程で頭に入っている知識だった可能性があります。

③以外の選択肢では④を選択した回答者が多い結果でした。選択肢④は、ハーシィとブランチャードによる状況リーダーシップ理論、いわゆるSL理論を題材にした選択肢です。「成熟度が低い部下には教示的」、「成熟度が高い部下には委任的」と直すと適切な内容になります。本番の試験でも、理論の用語名や内容について、入れ替えたり、名称を改変したりして誤答の選択肢が作成される可能性がありますので、他の選択肢についても、どの部分が誤りなのかを再確認しておきましょう。

 

以 上

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