テレワーク利用企業で新入社員を迎えるためのポイント

今年も4月に入り企業には新入社員が入社日を迎えていることと思います。昨年同様、コロナ禍の影響で大都市中心にテレワークあるいは部分的な出勤が行われている状態の企業も多いと思います。

そこで、今回は、テレワーク利用企業に入社した2020年4月入社の新入社員から聞こえて来た声を参考に、テレワーク利用企業において2021年4月入社の新入社員を迎える態勢としてどのようなものが望まれるかを解説したいと思います。

まず、新入社員から聞こえてくるのは下記のような声です。

  • 研修期間はオンライン研修で動画を見たりテストを受けるだけで退屈だ。
  • 部署に配属されたが、SlackやZOOM上でのやり取りばかりで部署内の仕事が相互にどう関係しているのか理解しづらい。
  • 先輩社員の人柄が分からないので何となく質問しづらい。

このような状況を踏まえて、以下では2つ提案したいと思います。

先輩社員による各自の業務内容に関するレクチャー動画の作成

各部署においては、コロナ禍以前同様に業務に関する簡単なオリエンテーションや先輩社員による自己紹介があるかもしれません。しかし、オリエンテーションにおいては部署の概要の説明に留まることが多く、各社員が具体的にどのような仕事をしているのかについてまで説明している例は少ないように思います。また、先輩社員の自己紹介についても業務内容、社内でのキャリア、出身大学、趣味といった通り一遍となりがちです。

そこで、各社員が普段担当している業務について20分ほどで解説した動画を作成し、新入社員への研修コンテンツとすることをお薦めします。動画に盛り込むべき内容については、「自分の業務の目的・意義」、「業務の具体的な内容」、「関係部署との関わり」、「業務を進める上でのポイント」、「今後改善したい点」といった項目を統一していおくことをお勧めします。この取り組みにより、新入社員がより自部署の業務内容や先輩社員について理解を深めることが期待されます。

多くの企業において部署の新入社員は1~数名程度なので、新入社員のために先輩社員がここまで時間を割くのはもったないと感じる方もいるかもしれません。

実はこの自分の業務について解説する動画を作成する行為が先輩社員自身の仕事を振り返ることになる、先輩社員に対する一種の研修として作用するのがポイントです。多くの場合、一旦業務を理解してしまえば、異動等により業務内容が大幅に変わることがなければ特段自身の業務について深く考えることなくルーティンとして従事していることが多いと思います。

2、3分ではなく20分といった、まとまった時間で自分の業務の意義や目的に立ち返って業務を理解していない他人に説明することを求められることは、自身の業務の意義を改めて考えるきっかけとなります。この内省の過程がそれまで先任者から引き継いだまま行っていた自身の業務の非効率性に気づき、業務効率の改善につながるかもしれません。

先輩社員持ち回りによる高頻度オンラインメンタリング

次におすすめしたいのは、ZOOM等での先輩社員による新入社員に対するメンタリングです。コロナ禍以前では週に1回程度の頻度で先輩社員が新入社員を食事に連れて行ったり飲みに連れて行ったりしていたと思います。また業務開始前や昼休みに雑談しながら先輩社員に相談できる機会があったかもしれません。そうした機会を補う意味ではZOOM等で先輩社員がより高頻度にメンタリングを実施することが重要と考えられます。

弊社の提案としては、毎日10分程度の短時間で良いので、午前の業務終了時と午後の業務終了時にメンタリングを行うことをお薦めします。このように毎日複数回のメンタリングの時間を取ることで、新入社員が業務中に気になったことに関して簡単に質問できる機会となります。

この方法ではメンタリングの頻度が高くなるため、メンタリングを担当する先輩社員の負担が重くなると感じられるかもしれません。そこで、このメンターを新入社員と比較的年齢の近い若手社員から中堅社員までが幅広く担当することをお薦めします。歳の近い先輩社員だけではなく年次が上の社員や普段の業務で接点のない先輩社員と話すことにより、新入社員が部署の業務に対して立体的に理解を深める良い機会となります。

また、メンタリングの際の内容のポイントとして、随時メールやチャットで具体的に質問できる業務に直結した内容ではない事項について話すことがあってもいいと思います。例えばスケジューラーに入っている会議名を見ていて意味が分からない会議があった場合にその会議について聞いてみる、オフィスにある表彰状の由来について聞いてみるといったことがあるかもしれません。

終わりに

以上に述べた「先輩社員による各自の業務内容に関するレクチャー動画作成」と「先輩社員持ち回りによる高頻度オンラインメンタリング」を行うことにより、新入社員が所属する部署の仕事を具体的かつ立体的にイメージできることを目指します。また、部署への帰属感や先輩社員との心理的な距離が縮まることは、新入社員の業務や働き方に対する不安を取り除くことにも役立ちます。この点は、コロナ禍においては感染不安がストレスにつながっているという報告もあることを考えると一層重要と考えられます。

 

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